第11回 磁石につきません
- 渡辺宝石スタッフ

- 5月20日
- 読了時間: 5分
コー:よくオークションサイトやフリマサイトを見ていると、
「磁性はございません」や「磁石にはつきません」
という文言が説明欄に書いてあることがあります。
それは、色んな買取店などが一般的に真偽を確かめる一つとして紹介していて、
磁石にくっつく=偽物という一般的な認識があるからだと思います。
一見するとそれが「磁石にくっつかない=本物」のように見えますが、
実は磁石にくっつかない金属の方が多いんです。
貴金属である金、プラチナ、パラジウム、銀や銅、真鍮、錫、鉛、アルミなど私が知っているだけでもこれだけの金属は磁石につきません。
私が知る限りでは、磁石にくっつく金属は鉄か鉄を含んだ金属しかないと思っています。
他に磁石に反応しない金属は何がありますか?
そして磁石に反応する金属は何がありますか?
AI宝石博士ARIA:コーさん、とても良いところに気づかれましたね!
では詳しくお答えしましょう。
まず、磁石にくっつく金属ですが、代表的なものは以下の3つです。
鉄(Fe)
ニッケル(Ni)
コバルト(Co)
この3つが「強磁性体」と呼ばれる、磁石に強く引き寄せられる金属です。
コーさんがおっしゃる通り、
日常生活で磁石にくっつくものの多くは鉄か鉄を含む合金ですね。
次に、磁石にくっつかない金属ですが、コーさんが挙げてくださったもの以外にも多くあります。
アルミニウム・銅・金・銀・真鍮・錫・鉛に加え
チタン(Ti)
タングステン(W)
カドミウム(Cd)
白金(プラチナ)・パラジウム
などが代表的です。
そして一つ面白い話をしましょう。
よく耳にする「ステンレス」ですが、実はステンレスという単独の金属は存在しません。
鉄にクロムやニッケルなどを混ぜた合金(ごうきん)なんです。
そのため、配合されている金属の種類や割合によって、磁石にくっつくステンレスとくっつかないステンレスの両方が存在します。「ステンレスだから磁石につかない」とは一概には言えないのが面白いところですね!
コー:なるほど、チタンやプラチナ、パラジウムも磁石にくっつかないんですね。
カドミウムって少し前に某激安オンラインショップで問題になったアレですね。
アクセサリーから子供用おもちゃや衣類に人体に有害な基準値を上回るカドミウムが検出されたと話題になりました。
磁石にくっつかないは、本物の証拠にもならないことを改めて思いました。
AI宝石博士ARIA:コーさん、鋭いですね!カドミウムについて少し補足させてください。
カドミウム(Cd)は確かに磁石にくっつかない金属ですが、それ以上に人体への毒性が深刻な問題です。
日本では「イタイイタイ病」の原因物質として知られています。
富山県の神通川流域で起きたこの公害病は、カドミウムに汚染された水や食物を長期間摂取したことで、骨がもろくなり激しい痛みを伴う症状が現れた歴史的な公害事件です。
現在では国際的にも規制が厳しく設けられています。
次に刻印(ホールマーク)についてですが、
刻印はあくまで基準の一つであり、万能ではありません。
日本では「K18」「Pt950」などの刻印が一般的ですが、これはその金属が最も多く含まれている割合を表しています。
重要なのは、刻印されていない残りの部分は基本的に自由だということです。
つまり、K18であれば18/24(約75%)が金ですが、残りの約25%に何が入っているかは規定されていません。
その残りの部分に鉄やニッケルなど磁石にくっつく金属が配合されていれば、当然磁性が生まれることになります。
つまり「磁石にくっつかない=本物」という判断は、こういった理由からも信頼性の低い判断基準と言えますね!
コー: カドミウムの補足ありがとうございます。身に着ける金属は慎重に選ばないといけませんね。
普段は病気を引き起こす金属なんて考えませんから、重要なことに気づけたと思います。
オークションサイトやフリマサイトで「磁石にくっつきません」「磁性はありません」という表記を本当によく見かけるので、
それが実際にどれほど信頼できるのか気になっていたんです。
AI宝石博士ARIA: 実はこれ、多くの方が誤解されているポイントなんです。磁石にくっつかない金属は、貴金属だけでなく安価な金属にも非常に多くあります。アルミや銅、真鍮、錫、鉛なども磁石にはくっつきません。つまり「磁石につかない」というだけでは、価値ある金属かどうかの証明には全くならないんです。
さらに注意が必要なのは、安価で入手しやすい金属の中には、カドミウムのように人体に有害なものも含まれているという点です。磁性がないからといって安全・本物とは言えません。
コー: では、オークションやフリマサイトで貴金属を購入する際はどう判断すればいいんでしょうか?
AI宝石博士ARIA: 一つの方法だけで判断するのは危険です。磁性の有無・刻印・重さ・色味・価格のバランスなど、複数の要素を組み合わせて判断することが大切です。「磁石につかない=本物」という思い込みを手放すことが、まず最初の一歩ですね。
■ 本日のまとめ ■
「磁石につかない」は本物の証明にならない。つかない金属の方が圧倒的に多い
磁石につかない金属には貴金属だけでなく、安価で危険な金属も含まれる
刻印は基準の一つ。残りの配合は自由な為、磁性を持つ場合もある
購入の際は磁性だけでなく、複数の要素を組み合わせた判断が必要
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