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カットと輝きについて

自己紹介のところで、ダイヤモンドのカットと輝きについて少しふれましたので、カットと輝きについてお話します。


紀元前4世紀頃にインドでダイヤモンドが発見されてよりどのようにしたら、ダイヤモンドがより輝くのかいろいろ多くの人々の英知と努力が積み重ねられ、17世紀に現在のラウンドブリリアントカットの基本形が出来上がりました。


ラウンドブリリアントカットは上から見るとマルク(ラウンド)ダイヤの上部(クラウン)を33の研磨面(ファセット)にし、下部(パビリオン)を25の研磨面(ファセット)にする。


下部(パビリオン)を25の研磨面(ファセット)にする合計58面の研磨面(ファセット)があります。確かにラウンドブリリアントカットは良く輝くのですが、どれも同じ程度に輝くわけではありません。


そんななか、1919年にアメリカの数学者マルセル・トルコフスキーがダイヤモンドの性質と光の性質を研究し、ラウンドブリリアントカットの最高に輝く理想的なプロポーションを発表しました。このカットはトルコフスキーカットとかアイデアルカットと言われます。


トルコフスキー先生は、ダイヤモンドの直径を100%とした場合にダイヤモンドが最高に輝く為の各部のパーセントと角度、そして対称性の重要性、研磨面の完成度の大切さを説いておられます。


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トルコフスキーのアイデアルカットのプロポーション

ダイヤモンドの直径を100%とした場合

一番上の面(テーブル面)・・・53%

中央からテーブル面に対する角度(クラウン角度)34.5°

クラウンの厚さ16.2%

中央から一番底面(キュレット)に向う角度(パビリオン角度)40.75°

パビリオンの深さ43.1%

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この理想的なプロポーションの中で、特に重要なのは、ダイヤを横から見て中央の横の線を一番下の尖って見える部分(本当はここも面なのですが)とかで作られる角度(パビリオン角度)40.75°です。

(ダイヤモンドの直径を100%とした場合に各部のパーセントと角度が記されていますが、このパビリオン角度40.75°がダイヤに上から入ってきた光をダイヤの中で反射して反射してみる人の方へ返してくれるのです。)


そして返ってくる光は七色の虹のような分光色になっているのです。


もともと白色光は、いろいろな色の光が混ざって白色光になっているので、密なダイヤの中へ入射することによって、波長の長い赤色は屈折率が低く小さく折れまがり、波長の短い紫色は屈折率が高く大きく折れまがります。

こうして分光色が出来るんですね。


ダイヤの中でプリズムに入った光が虹のように七色の光に分散しますが、同じことがダイヤモンドの中でおきているのです。


もともと白色光は、色々な光が混ざって白色光になっているのですが、密なダイヤモンドの中へ入射することにより、波長の長い赤色は屈折率が低く折れまがり、角度が小さく、波長の短い紫色は屈折率が高く折れまがり角度が大きくこうして分光色が出来ます。


高屈折率の宝石ほど入射した光を内部で反射をくり返すことが出来ます。

ダイヤモンドは天然透明宝石の中で一番高い屈折率を持っていますから、その屈折率にあったパビリオン角度にカットすることがとても重要なのです。


ダイヤの中で光が反射をくりかえします。


高屈折率の宝石ほど物質へ光が入りますと、入射したほとんど全ての光を内部で反射をくり返すことが出来反射をくり返すことが出来るのですが、それもパビリオン角度が40.75になっていることが大事なんですね。


ダイヤモンドは天然の透明宝石の中で一番高い屈折率2.417を持っています。素晴らしい!!


もうおわかりだと思いますが、ダイヤが輝くか輝かないかは面(ファセット)の数が多いか少ないかではありません。

ダイヤの中で反射をくり返して見る人の方へ光が返って行くプロポーションになっているかどうかです。


最近面(ファセット)の数が多く58を越えるラウンドブリリアントカット、ダイヤを見かけますが規定数を越えるので、買取の評価は下がるようです。

又、面の数は多いのでカット賃はその分かかると思われます。

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